ATLAS DASH8-32BWHを買ってみる
GEの「DASH 8-32BWH」は、アムトラックが1991年に導入した旅客牽引用のディーゼル機関車です。
当時のGEは、このDASH 8シリーズの投入によって、それまで市場を独占していたEMDを猛追し、シェア首位を奪う勢いを見せていました。同シリーズは、複数のボディと車台を組み合わせることで4軸機と6軸機を選択できる、多彩なバリエーションが特徴です。
アムトラックの8-32BWHは、その名の通り「DASH 8シリーズ(8)の3,200馬力エンジン(32)を搭載した、4軸(B)のワイドキャブ(W)仕様、かつ旅客用客車電源(H)搭載機」であり、ノーフォーク・サザン鉄道(NS)の貨物機「8-32B」がベースになっています。
外観は、原型となった32Bの標準キャブとは異なり、ワイドキャブを装備しているため、現代の見慣れた「GE顔」をしているのが特徴です。また内部にも、客車用電源(HEP)の搭載や、高速旅客列車に対応するための「74:29」という高速寄りのギヤ比セッティングなど、旅客機ならではの変更が加えられています。
アムトラックの牽引機と言えば、北米旅客列車の伝統を引き継ぐかのような、スムーズな箱型ボディーが特徴的です。しかし、この8-32BWHの外観は、アムトラックの塗装をまとっていなければ貨物機そのものです。現に、当時の主力機であったF40PHや、後継機にあたるジェネシス(P40DC/P42DC)シリーズは、すっきりとした旅客機らしい外観にまとめられています。
なぜ8-32BWHだけがこのような外観なのかと言えば、本機が「急造の中継ぎ」だったからです。当時は急速に老朽化が進むF40PHの置き換えが急務でしたが、次世代機であるジェネシスの登場(初期型のデビューは1993年5月)までは時間がかかる状態でした。そこで1991年、急遽貨物用のDASH 8-32Bをベースに、旅客用機として20台が製造されたという経緯があります。そのためスペック面でも、出力は3,200馬力でありながら、客車電源(HEP)作動時には動力に回せる出力が2,500馬力まで下がるというF40PHと同様の制約を持っていました。最高速度も約166 km/h(103 mph)にとどまり、のちの後期型ジェネシス(約177 km/h)や、北東回廊用の電気・ディーゼル両用型(約182 km/h)といった本格派旅客機への、まさに過渡期を埋める存在だったのです。
ジェネシスや、さらなる後継機であるチャージャーが登場した現在では、もっぱらヤードでの入換や回送、短距離列車の牽引などに使用されています。20両全車健在とはいきませんが、登場から35年が経った現在でも、貨物機ベースのタフなボディと信頼性の高いエンジンのおかげで、頼れる裏方として今なお元気に走り回っています。

今回購入したアトラス(ATLAS)製のDASH 8-32BWHは、アムトラックの「フェイズV」仕様です。
24,000円という手頃な価格帯ながら、キャブ周りの手すりが別パーツで立体的に再現されるなど、ディテール面は非常にハイレベル。さらに、アムトラック客車と美しく同調するシルバーとブルーのツートンカラーの塗装や、細部への緻密な色差しなど、素晴らしい仕上がりを見せてくれています。

ロードナンバーの文字や、ルーバーの立体感など素晴らしい仕上がりです。

現代のゴツい6軸機を見慣れていると、この4軸機ならではのギュッと詰まったサイズ感が際立ちます。お馴染みの「現代的なGE顔」なのに、足回りは4軸でショートボディというギャップが新鮮です。
底面にはアトラスの文字が。

Nゲージという1/160の極小スケールゆえに、パーツの細さにはどうしても限界があります。しかし、キャブ周りの手すりが「ボディ一体のモールド表現」であるか、立体的な「別パーツ」であるかの差は、まさに雲泥の差。













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