タウルスは、シーメンス社が展開する電気機関車ブランド「ユーロスプリンター」シリーズのうち、オーストリア国鉄(ÖBB)などに導入された汎用高速電気機関車の愛称です。「タウルス(おうし座)」の名にふさわしく力強い牽引力と優れた高速性能を兼ね備えており、定格出力6,400kW、営業最高速度230 km/hという高いスペックを誇ります。(なお、同シリーズのES64U4形は試験走行にて最高時速357 km/hを記録しました)
また、初代にあたるES64U2(ÖBB 1016・1116形)は、発車時や停車時にVVVFインバータ音が1オクターブの音階を奏でることから「ドレミファインバータ」として鉄道ファンから親しまれており、日本でも高い知名度を誇ります。

Jägerndorfer Collection(イェーガーンドルファー)はオーストリアの模型メーカーで、主に同国の鉄道車両やヨーロッパの索道などを手がけています。
今回入手したタウルス(Rh1016形)は、ウィーン都市圏と空港を結ぶCity Airport Train(通称CAT)の専用カラーを再現した2018年発売のモデルです。もちろんDCCサウンド搭載で、最大の特徴であるGTOインバーターの起動音(ドレミファ音階)が再現されています。
ただ、サウンド面では少々惜しい点も。ROCOの最新モデルなどのように「加速に応じてインバーター音が粘る」ような挙動がなく、停車時の逆回転音も再現されていません。元々、音階を奏でる本場のタウルスが欲しく(アメリカのACS-64 シティスプリンターなどは1216形ベースのためドレミファ音階が鳴りません)、たまたま状態の良い中古(¥28,000)を見つけて購入したのですが、こうなると速度変化にしっかりインバーター音が追従する他社製のタウルスも欲しくなってしまいますね。欧州型のカプラー受けに対応するナックルカプラー(KD #18)の予備はまだあるので、受け入れ態勢は万全なのですが…
とはいえ、本体のディテール自体は素晴らしい出来です。随所に金属パーツが使われており、床下の造形も非常に緻密。CATの特徴である鮮やかなグリーンをはじめとした塗装も綺麗で、走らせるだけでなくコレクションとしてじっくり眺めても満足度の高い1両です。

アメリカ型では馴染みのない、連結器両側に張り出した大型のバッファー。左右の手すりは金属製でシャープな仕上がりです。
連結器はデフォルトではループカプラーですが、普段はアメリカ型を中心に収集しているため、手持ちの車両群に合わせてナックルカプラーへ換装しています。
ちなみにKDカプラーはNo18が欧州型のカプラー受けに対応したものです。

パンタグラフは集電こそ非対応なものの金属製で、展開時に無限に跳ね上がることなく、模型としてもっとも映える適正な角度でしっかり止まる仕様になっています。また、赤く塗られた屋上配線には、どこかアメリカのシティスプリンターに通じる雰囲気を感じます。

左右非対称のカラーリングや、明るいグレーで塗装された床下機器からは、空港アクセス特急らしい爽やかで洗練された印象を受けます。そして何より、最高速度230km/hを誇る欧州車ならではの、ゆったりとした曲線美で構成された流麗なシルエットがカッコいい。














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